実例紹介・お客様の声
当社に寄せられた数多くのお客様の声の中からいくつか厳選して実例としてご紹介いたします。
Vol.4借地権買取事例
先日、私の妻の母が亡くなり、妻が母親の自宅を相続しました。その家は、借地上に建つ一軒家で、その建物と借地権を相続したのです。妻は私と結婚して以来、母親とは別居しています。私たちには、私たちの自宅がありますので、妻が相続した家に住むという選択肢はありませんでした。そこで、妻から、相続した家をどうしたらよいものか相談を受けました。
まずは私なりに、建物と借地権を一緒に誰かに売るということを考えました。しかし、妻の母は亡くなる10年ほど前から老人ホームに入っており、その間、家は空き家で手入れもされないまま放置されていましたので、老朽化が著しく、この家を買うという人はまずいないと考えられます。今にして思えば、しっかりと管理しておくべきだったと思うものの、後悔先に立たずです。
となると、財産的価値があるのは借地権だけです。妻が相続した家は、都内私鉄沿線の駅から徒歩15分程度の住宅街にありますので、ある程度の価値はあるのではないかと思いました。そこで、借地権の価格を調べてみることにしました。不動産の価格の調査ということで、インターネットで不動産鑑定事務所を探し、電話連絡をとり、直接あって相談したところ、やはり現地を確認する必要があるということなので、後日、現地に不動産鑑定士の方と一緒に行くことになりました。
鑑定士の方は、私たちの話から、いろいろと事前に資料を揃えて現地に来てくれました。結果、この土地は、公道に接続していないために、家を建て替えることができないことが分かりました。日頃、義母が出入りしていた小路は借地には含まれていなかったようです。そうなると、家を建てられない土地を買う人はいませんので、借地権を誰かに売るということは事実上不可能です。
しかし、鑑定士の方は良いアイデアを出してくれました。隣の土地も同じ地主の土地で、義母が出入りしていた小路も同じ地主の所有だそうです。ということは、借地権を地主さんに買い取ってもらえば、隣地と一体となって建物も再築可能となります。借地権も一旦成立すれば、それは1つの財産権となるので、それを賃貸人である地主さんが買い取るということもできるそうです。そうであれば、それが私たちにとっても最も良い選択肢です。そこで、私たちは、その足で近くに住む地主さんの家へ手土産をもって相談に行きました。
借地について話すと、実は地主さんも、地代はちゃんと支払われているもののずっと空き家になっていたので、借地権者と連絡を取りたがっていたそうなのです。私達もうっかりしていたと反省することしきりでしたが、地主さんも私たちと連絡が取れたことに安心したようでした。事情を話すと、地主さんも借地権の買取を前向きに考えてくれるとのことでした。
さっそく私たちは、鑑定士の方に借地権価格の査定をお願いしました。こちらからお願いして地主さんに買い取ってもらうことを前提としますので、そのあたりも考慮して査定してもらうことにしました。結果、350万円と査定してもらい、再度、不動産鑑定士さんと一緒に地主さんの家へ出向きました。地主さんも、知り合いの不動産に詳しい方が同席され、不動産鑑定士さんが、査定価格の根拠などを説明し、結果、こちらの提示した350万円での買取りを承知してもらえました。
今回は、不動産鑑定士の方にたいへんお世話になりました。単に不動産の価格査定や鑑定をするだけでなく、借地権というものを上手に処理するアイデアを出してもらえました。専門家に相談して大正解でした。